サービス管理責任者に向いている人は?

私たちは、少なくはない数のサービス管理責任者と会ってきました。

相談支援事業をされている方は訪問時にサビ管に挨拶する事が多いかと思いますが、私たちは就労継続支援のコンサルティングをしているため、内部からも事業所をみさせてもらっており、外部、内部、評判を含め総合的に見てきました。

サービス管理責任者や管理者は、就労継続支援事業の要になります。今回はサービス管理責任者目線でどういう人が向いているのかを紹介していきます。A型事業所、B型事業所とは分ずに説明をしますが、どちらも特有の問題があります。

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サービス管理責任者に向いている人は?

向いている人とは、あくまでもサービス管理者責任者を夢見る人向けに向いているかどうかになるので、事業所的にこういった人がサービス管理責任者が欲しいというのとは違います。

もし今障害福祉サービス事業関連で働いてる人でサビ管を目指す場合は以下の事が重要になってきます。

・一連の障害福祉の業務を理解しているか、もしくは理解できているか。
・老若男女問わず、自信を持って対応できるか
・加算の理解、人員配置の理解など、仕組みの理解をしているか

この4つだけではないですが、サービス管理責任者の仕事のイメージができるかと思います。

一連の障害福祉の業務を理解しているか、もしくは理解できているか。

ここでいう業務の理解とは、アセスメントから更新、契約についていです。一連の業務を100%理解できているサービス管理責任者は少ないので、絶対に理解しろ!とはなりませんが、ある程度流れを知っていないと、監査、実地指導で大変なダメージになります。

なぜ理解していないのかという原因ですが、 A型事業所、B型事業所、多機能型、就労移行支援には利用定員があります。大体が20名定員なんですが、事業所立ち上げで初サビ管の場合、資料の把握が難しいです。なぜ難しいか後ほど説明します。また、サビ管退職に伴い、補充の場合、引き継ぎをするため資料についてはある程度用意されていますが、前職のやり方が正しいかわからないため、同じやり方になる事が多いです。20名を一通り経験した程度では「理解」するには人数よりも年数も重要な要素になります。

また、サービス管理責任者と管理者が兼務になっている場合が多いため、スタッフのシフト管理、工賃支払いなど、事業所独自のルールを覚える必要があります。

さきほど説明した通り、資料の把握(準備)が難しいのかというと、インターネットをくまなく探してもサービス管理責任者がやるべき事が、サービス管理責任者とは何をする〜様な事は書いてても、必須書類まで網羅しているWebサービスがないからです。

では役所に聞きに行こう!となりますが、障害福祉ガイドブックを読んでください、オンラインで質問フォームからお願いします。というのが最近の福祉課で多いです。

また、処遇改善の資料、年間研修計画などを含めると・・・心して下さい!できない事はないですが根気が必要です。

老若男女問わず、自信を持って対応できるか

資料作成や監査対策、月初や月末の仕事は当然ながら、直接支援にももちろん関わります。直接支援経験を10年以上されていた方、3年だけの方、色々なサビ管と話しましたが、老若男女平等に対応できる人は稀です。心配しないで下さい。直接支援員と役割分担を進めて下さい。しかし、直接支援員がサビ管より年上の場合も多いので、スタッフに足しても老若男女問わず対応が必要になります。

このあたりができている人となかなか出会えた事はないので、割り切ってできる仕事とそうではない仕事を雇用主に説明して下さい。

加算の理解、人員配置の理解など、仕組みの理解をしているか

書類仕事はひと段落、直接支援もだんだん両立できてきた。

その後に加算に対する対応が必要になってきます。サービス管理責任者兼務管理者は、ここで挫折します。もう少し頑張って!と思うんですが、なかなか難しいです。

加算とは送迎加算、食事提供、平均工賃、そして処遇改善加算、特別、ベースアップ、です。

いったんここまでのサービス管理責任者の仕事を復習します。

相談体験時の対応、
契約時の書類の把握、
個別支援計画の作成、
モニタリング、
直接支援のサポート、
送迎のサポート、
役所へ同行、
場合によっては利用者宅へ訪問、
スタッフのシフト、
工賃計算・・・笑

そこへ加算の準備、
去年度の利用者平均から出る人員配置基準を守るシフト。
場合によっては求人募集の対応、A型に至ってはハローワークへ求人を出したり、
補助金申請、
就業規則の確認・・・あああ。

契約関係の書類の把握をしているサビ管も少ない上に、事業運営に関わる事お理解している人はなおさら少ないのが現状です。

新卒採用が難しい職業のため、障害福祉サービスに高度人材が集まる傾向は弱いの現状です。

では、勉強しよう!と言っても、無理が生じます。経営者の考え方、管理者、サービス管理責任者、直接支援員、利用者、利用者のご家族と、関係者が多いなか、サービス管理責任者の想いを叶える事業所に巡りあうことも難しいです。

勉強する時間もなければ、挑戦してみようというチームワークを作り出すのも難しいです。

100%を目指すな!5割〜8割の理解で納得しよう!をテーマに取り掛かって下さい。

その気持ちで進めないと、いっぱいいっぱいになります。サービス管理責任者の基礎研修、実務者研修の人数が1つの事業所で1人しか受けれない現状に対して、サービス管理責任者の数が足りないのは、サービス管理責任者を諦める人数の方が多いと言う事です。(グループホーム、生活介護、就労移行支援に流れているのも要因)

独立もひとつの考え方

それが嫌だ!といった方が独立して事業所を出すんですが、ご本人が思う形ができたとしても、お仕事を生み出すのが難しかったり、労務関係の手続きも始まり、利用者が満足する運営ができるのかも定かではありません。直接支援員の求人もそう簡単には集まりません。

サービス管理責任者に向いている人のまとめ

サービス管理責任者を目指す人に対して脅しているわけではありません。サービス管理責任者同士の集まりも各地域で開催しています。皆で福祉サービスを進めていきましょう。

熱意だけでは空回りします。熱意がある方ほど挫折しています。多くの業務を経験してサービス管理責任者として配置されている以上、期待が寄せられます。

役所に聞く、前任に聞く、近くの同業者に聞く、調べる、

それでも100%になる事はありません。数年して初めて理解してくる事もあります。

「サービス管理責任者に向いている人」というタイトルのブログを最後まで読んだあなたは、本気でサービス管理責任者のことを考えている人です。そう言う人がサビ管にむいているのかな?と思います。

思った以上に作業が多いですが、資料作成といっても20名程度です。1年目ではなく2年目、3年目の目標を作って、毎月の計画を立て、事業所運営に励んで下さい。

プレイヤーなのか管理者なのか、自分自身の特性や今後のことも考えながら、自分なりのサービス管理責任者像や、憧れる先輩サビ管を目指していきましょう。

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