沖縄県(那覇市・浦添市・沖縄市)に限らず、B型就労継続支援事業所が潰れる理由がいくつかあります。B型経営が簡単に儲かると思われがちで、A型事業所からB型事業所に転換が増えている令和6年ですが、簡単には儲かりません。最近では沖縄県内6箇所の障害福祉を運営する会社が破産申請しています。6箇所のうちB型事業所とA型で4箇所?と言われています。
B型就労継続支援の今後の経営は儲かるのか?潰れた理由、潰れそうな理由を黒鹿がまとめた
就労継続支援事業B型の閉鎖・倒産・破産の理由として、以下のような要因が挙げられます。事業所によって異なることもありますが、代表的な理由を10個挙げます。
- B型利用者数の減少
地域の高齢化や利用者のニーズ変化に伴い、利用者が減少し事業の維持が困難になるケースがあります。障害福祉サービス利用者は中高齢者デイサービスに変更したり、居宅サービスに切り替える事があります。 - 財政的な問題、収支サイクル
B型、A型事業の運営には国や自治体からの補助金が大きく依存しているため、収支バランスが崩れると経営が困難になり、閉鎖に至ることがあります。また、国保連に介護請求し入金までの期間で収支バランスを崩すB型事業所A型事業所も多いです。 - 障害福祉のスタッフ不足
介護以外にも福祉業界全般での人材不足が深刻であり、特に専門的な支援が求められるB型事業所では十分なスタッフが確保できず、運営が困難になることがあります。また、一度障害福祉事業を辞めたスタッフが、同業に戻る確率も少ないです。「SNSで楽しいよ!」をアピールしている障害福祉施設が多いですが、SNSを見ているのは20代〜30代です。若いスタッフは離脱が早いため、黒鹿はSNSでスタッフ募集するのは進めていません。のちほど問題になることもあります。 - 運営方針の不一致
法人の運営方針や経営者の考えが変わり、就労支援事業自体を縮小・廃止する場合があります。フランチャイズに多いです。利益率が高かろうが、残るお金が少ないと感じるオーナー事業者が多いです。また、利用者問題、スタッフの問題など、朝昼夜問わず連絡がきて従業員が疲弊する事も多いです。 - 地域ニーズの変化
B型事業所が提供する作業内容や支援が地域のニーズに合わなくなり、利用者が他のサービスを選ぶケースが増えることがあります。先ほどは中高齢者を例に挙げましたが、農福連携を推進するが、利用者が思った以上に集まらない事が多かったり、精神症状が多い利用者で身体障害向け作業を続けたりと、状況を分析して運営する必要があります。 - 支援の質の低下
支援の質が低下すると、利用者やその家族からの信頼を失い、結果として利用者が減少することがあります。こちらは相談支援員にも言えます。福祉サービスの提供を理解していないスタッフが非常に多いです。 - 法令違反や不正行為
運営において不正な補助金申請や法令違反が発覚した場合、行政からの指導や補助金停止により閉鎖を余儀なくされることがあります。最近では減ってきましたが、大手グループホーム運営会社が事業閉鎖と譲渡でニュースになっていました。なんで?と思いますが、これもスタッフのレベルによって変わります。スタッフの質は会社側がしっかり上げていかないといけないです。 - 設備の老朽化
事業所の設備や建物が老朽化し、安全性や快適さを維持できなくなる場合、更新費用の負担が大きく閉鎖されることがあります。新規にA型事業所やB型事業所を運営する際は、設備基準で新耐震基準昭和56年以前の建物では開業できない事は理解していると思いますが、今後老朽したB型事業所は建て替えも必要になります。費用もかかり、運営できない間の対策も考えなくてはいけません。 - 競合の増加
他のB型事業所や他の福祉サービスが増加し、競争が激化して利用者が分散し、経営が困難になることがあります。B型のニーズがある地域、A型のニーズがある地域は、沖縄県に限らずどこでも差が出ます。A型就労継続支援の方が利用者は集まりますが、収支が厳しいと言われています。 - 支援制度の変更
国や自治体の福祉政策の変更により、補助金の条件や支援内容が変わり、経営が成り立たなくなることがあります。スタッフ育成がしっかりしている事業所はそういった問題はほとんどありませんが、スタッフの高齢化、パソコンが使えない、スタッフ同士が協力しない場合など、制度が変わるたびに資料作成ができなくなっていきます。
これらの要因が単独または複合的に影響して、B型事業所が閉鎖に至ることがあります。A型は考え方が変わってくるため、また機会があればご紹介します。
B型事業所、福祉事業所の倒産、閉鎖、破産の前に
黒鹿ではB型就労継続支援の立ち上げや閉鎖に対してアドバイスをしております。その中で、破産、閉鎖、倒産する事業所の気質として、「頼らない」事が多いと感じます。結果、スタッフが転職活動をしなくてはいけない、利用者を他の事業所に移さないといけない、その中には家族が仕事の時間変更や会社を休むなども必要になります。事業所に関わる人が多くいる事を自覚していれば、傷口はなるべく小さくしようとするはずです。
しかし、頼らないことによって、とっとと閉鎖します。
黒鹿はB型事業所の事業承継のお手伝いをしており、関連企業や地元の企業へ提案をし、可能な限り不利益が起こらない形をとっていきます。沖縄に限らず、B型の事業継承を考えている人は黒鹿にご相談ください。
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